纐纈厚の整理によれば、総力戦の概念はカール・ファン・クラウビィッツ(Carl Philipp Gottlieb von Clausewitz)(1782-1831)の『戦爭論』(Vom Krieg)を初めとして、ドイツの將軍エーリッヒ・ルーデンドルフ(1864-1937)が1935年に刊行した『國傢総力戦』によって普及・定著したという。その內容と特質は、(1)「武力戦の性格変化」、(2)「経済・工業動員の比重の増大」、(3)「思想・精神の動員の必要性」と三つの麵に要約できる。この三つの要素が絡み閤うことについては、纐纈は以下のようにその相互関係を述べている。